『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 Ⅸ』の紹介
松岡圭祐氏のミステリー小説『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論』第9巻の紹介です。
サブタイトルが「人の死なないミステリ」。松岡圭祐氏の作品では時々出てくるキャッチフレーズです。『万能鑑定士Q』シリーズでも使われていました。『千里眼』や『JK』『高校事変』では考えられないコピーです。
松岡圭祐氏の新シリーズミステリー『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論』も今作で9冊目。今回は『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 Ⅸ 人の死なないミステリ』を紹介します。
ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論シリーズとは?
『千里眼』や『万能鑑定士Q』でおなじみの松岡圭祐が書くミステリー小説。文学や書籍がこの作品のテーマです。主人公の李奈(りな)は作家の卵。作家として、人として成長していく姿が応援したくなる!そんな小説です。
今回発売された 第9巻の紹介
ある日、書下ろし作品が本屋大賞にノミネートされます。作家としての評価が徐々に上がっていきます。そんなある日、因縁のある出版社の編集者から執筆オファーが!しかし、そこから問題が一気に増えてきます。はたして本は書きあがるのでしょうか?
穏やかな日常劇化と思ってしまいますが、作中はいつも以上にバタバタしています。今回も出版業界の豆知識がいっぱいです。
「人の死なないミステリ」とは?
『万能鑑定士Q』シリーズで使われていたキャッチコピーです。
普通のミステリでは毎回、殺人事件が起ります。当たり前のように。一方、「人の死なないミステリ」では事件や事故が起こるけれど、誰も死ぬことはない。安心して読むことができる。
一見、なんだ。と思うかもしれません。しかし、松岡圭祐作品を思い出してみてください。『千里眼』や『JK』『高校事変』。何人亡くなりましたか?エンターテイメント小説のように、主人公の女の子が無双します。大男だってやられます。松岡圭祐氏が使うから面白いのです。
これまでの作品
1~8巻までの紹介です。簡単に紹介していきます。
1巻の紹介
記念すべき第一巻。作家と盗作騒動のはなしです。
2巻の紹介
シリーズ第2巻。失踪事件&横溝正史。関係なさそうに見えて複雑に絡み合っていきます。
3巻の紹介
シリーズ第3巻。密室殺人。主人公が孤島で奮闘します。
4巻の紹介
シリーズ第4弾。またまた盗作問題。今回は別の切り口から。
5巻の紹介
シリーズ第5弾。『万能鑑定士Q』からの安定の凛田 莉子が登場!
6巻の紹介
シリーズ第6弾。芥川が書いた桃太郎が題材となります。
7巻の紹介
シリーズ7巻。聖書と埋蔵金。ここにも凛田莉子が登場。彼女は出しゃばりません。その分、李奈が輝いて見えます。さすが!
8巻の紹介
シリーズ8巻。太宰治の遺書と気鋭の作家の失踪。・・・シリーズ中、一番、好き嫌いが分かれる作品です。
まとめとして
今回は松岡圭祐の『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 9 人が死なないミステリ』を紹介しました。
前巻では読者にとって好き嫌いが分かれてしまう作品でした。何巻も出ていれば、しかたがないのでしょう・・・。今作では李奈の成長もみられ、ちょっとやそっとでは潰れない人間になってきました。探偵?としての推理にも磨きがかかっています。
原点回帰は再出発となるか?『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論』では「人が死なないミステリ」がどのような使われ方をするのか?そんな視点で読むのも楽しいです。
よかったら読んでみてくださいね!