宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』の種類は?
今回は宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』を紹介します。剣と魔法が出てくるファンタジー長編小説です。他のファンタジー小説と違うのは、主人公の中に「現実」が根底にあり、それがしっかりとしたものになっているということです。様々な要素が丁寧に書かれているので納得できます。本好きがオススメするのもうなづける作品です。
小説版、漫画版の種類も紹介していきます。おススメです。
ブレイブ・ストーリーとは
人気作家、宮部みゆきのファンタジー小説です。
小学生のワタルが家族のゴタゴタに巻き込まれてどうしようもなくなります。そんなときに異世界への扉が開きます。異世界である「幻界」の女神にお願いすれば何でも叶えてくれる。元の家族を取り戻すために「幻界」へ旅立つことを決めるのです。
ライトノベルで異世界ものが流行しています。今作はそれが流行るだいぶ前に書かれたものです。角川文庫、角川スニーカー文庫、角川つばさ文庫、とレーベルを変えてどんどん出版されています。小説版だけではなく、漫画版やアニメ、ゲームなど広がりを見せています。
最初は2003年に発売されましたが、現在でも人気があるシリーズです。さらに、2021年6月には「新装版」と「電子書籍版」が発売されました。電子書籍版は誰もがあきらめていたのですが、とうとう来たか!という嬉しいニュースでした。
しっかりとしたファンタジー
現代と異世界を行ったり来たりします。人気作家がファンタジーに手を出したか・・・。と思って読み始めましたが、とんでもなかったです。しっかりしたファンタジーです。多種族、武器、南北対立、出会いと別れなどなど。
丁寧に作られていて、ファンタジーのツボをおさえた作りとなっています。小学生がそんなこと言う?という箇所はありますが。それを抜きにしてもすばらしい。
ただ、それにしても現代パートが暗い。暗すぎる。なんで主人公のワタルがこんな目に合わなくちゃいけないんだ。大人、しっかりしろよ。と思ってしまいます。
小説版&漫画版の種類
小説と漫画は下記の種類が発売されています。
小説版
出版社は同じですが、レーベルを変えていくつか発売されています。
ブレイブ・ストーリー(単行本)
一番最初に発売されたものです。単行本といっても小説のことです。宮部みゆきがファンタジーを書いた!と発売当時は大いに盛り上がりました。
ブレイブ・ストーリー(文庫本)
表紙デザインを一新。グッとファンタジー感が強くなりました。
ブレイブストーリー(新装版)
こちらが2021年に発売された新装版です。
表紙イラストは小野不由美の『十二国記』シリーズの表紙を書いた人です。ゲームのキャラクターデザインでもよく見かけます。ファンタジーのワクワク感を盛り上げてくれる絵を描く人です。
冒頭にも書きましたが、ついに電子書籍版が登場です!いままで分厚い本を持ち歩かなければいけませんでしたが、これからは電子書籍で楽に読めてしまいます!ちなみに挿絵はありません。
ブレイブ・ストーリー(角川スニーカー文庫)
絵柄がガラッと変わりました。スニーカー文庫だからって・・・。これまでの本は上下巻でした。この本は 1 冊ずつが薄くなって全 4 巻です。
角川つばさ文庫『ブレイブ・ストーリー』
つばさ文庫とは、小学生高学年あたりを読者として想定した角川書店のレーベルです。そこでこのハードな家庭環境を 1 巻丸々使って説明するってすごいな・・・。
全4巻で2巻以降はファンタジー世界にどっぷりつかることができます。がんばれ!
漫画版
大きく分けると2つあります。
・小野洋一郎(作画)
⇒『ブレイブ・ストーリー〜新説〜』
⇒『ブレイブ・ストーリー新説〜十戒の旅人〜』
・姫川明(作画)
⇒『ブレイブストーリー』
それぞれ見ていきましょう。
ブレイブ・ストーリー〜新説〜
原作小説では主人公のワタルたちは小学生でした。漫画版では 14 歳の中学 2 年となっています。なんだかホッとする設定の変更です。大筋は原作と一緒ですが、設定が少しずつ異なっています。世界観は一緒だけれど別の作品として楽しむことができます。絵もきれいなので読みやすいです。
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ブレイブ・ストーリー新説〜十戒の旅人〜
まさかの続編、まさかの登場人物ほぼ入れ替え。
主人公は天災ですべてを失った大地震で家族と故郷を失ったマモルとヒカル。"要御扉"を通って"幻界"を訪れたふたりは、「故郷を取り戻す」という共通の願いを叶えるために、共に"証"を探す旅に出ます。
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てんとう虫コミックススペシャル『ブレイブストーリー 』
あの長編を 1 冊に収めた漫画版です。小学館の「てんとう虫コミックスペシャル」(コロコロコミックスなどの子ども向け雑誌)から出ています。無理がある、という人もいますが、あの作品を子ども向け雑誌から出した心意気に拍手を送りたいです。物語の大筋を知りたい、というパッと読みたい人には良いかもしれません。
その他
その他にもいろいろと出ています。
ブレイブストーリー公式ガイドブック
ファンブックです。
・映画のストーリー
・作者や監督たちの座談会など、製作の裏側
・用語集
・ミツル特集
などがファンにはたまらない情報が満載です!
ブレイブ ストーリー コレクターズBOX
もちろんあります。DVDボックス。だいぶ前に発売されたので、今や新品を見つける方が難しいです。コレクターズBOX(4枚組)。
ゲーム
だいぶ前に発売されたものなので情報だけお伝えします。
・『ブレイブ ストーリー ボクのキオクとネガイ』
ニンテンドーDS用ソフト(2006年)
⇒ RPG(ロールプレイングゲーム)。ワタルやミツルと一緒に幻界を旅することができます。
・『ブレイブ ストーリー ワタルの冒険』
PlayStation 2用ソフト(2006年)
⇒ RPG(ロールプレイングゲーム)。映画や小説と近い設定(内容)になっています。カメラワークが悪いのが難点でした・・・。
・『ブレイブ ストーリー 新たなる旅人』
PlayStation Portable用ソフト(2006年)
⇒ RPG(ロールプレイングゲーム)。難易度もちょうどよく、ドンドン先に進める親切なゲームです。絵もきれいです。
3 作とも中古ショップで1,000円以下で買えます・・・。
まとめとして
今回は宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』を紹介しました。丁寧に書かれたファンタジー。様々なサイトでも「オススメの長編小説」に必ず入っている作品です。未読の人は読んでみてくださいね。