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妖怪小説が読みたい!荒俣宏の『妖怪大戦争』原作&ノベライズ

妖怪大戦争

 

 

 

 

妖怪大戦争とは?

 

2005年公開の実写映画です。

タイトルの通り、様々な妖怪が登場します。

それよりすごいのが制作のメンバーです。

水木しげる、京極夏彦、荒俣宏、宮部みゆき

そうそうたるメンバーが名を連ねています。

 

妖怪なら水木しげるでしょ?

そう思われる人も多いと思います。

 

安心してください。荒俣氏は水木先生の弟子です。

荒俣氏は水木作品に「怪人」として登場したこともあります。

 

 

妖怪大戦争

夏休みのある日、近所の神社のお祭りで「麒麟送子」に選ばれた少年タダシ。

その日を境に妖怪を見ることができるようになります。

そこで、妖怪たちを苦しめる魔人「加藤」が現れます。

加藤は人間界をも滅ぼそうとしています。

タダシは聖剣を手に入れて、妖怪の力を借りながら敵と戦うことになりました。

 

妖怪好きの人にも、そうでない人にも分かりやすいエンターテイメント作品です。

 

 

妖怪大戦争(原作)

元となった小説です。戦いややり取りがテンポよく描かれています。河童や天狗などのおなじみの妖怪たちが主人公と協力して敵と戦っていきます。この本には妖怪知識がふんだんに詰め込まれています。さすが荒俣先生。

一番のポイントは、妖怪たちの性格が『ゲゲゲの鬼太郎(アニメ版)』と異なるということ。本来、『ゲゲゲの鬼太郎』は漫画版では怪奇ものというジャンルでした。それがアニメ版では勧善懲悪のヒーローものになっています。この小説では”本来の”妖怪たちの姿が見られます。

 

水木版 妖怪大戦争

水木しげるが荒俣宏の原作小説を漫画家したものです。ストーリーは荒俣宏版と同じです。水木先生が描く妖怪の絵は心地よい。そんな感じを再確認する作品です。京極夏彦が登場したりします。読み比べるのも面白いです。 ラストの書き方など、読んでいてスッキリするのは、この本が一番です。

 

 

妖怪大戦争 ガーディアンズ

『妖怪大戦争』の続編です。 

日本列島の中央にはフォッサ マグナという大きな溝があります。ここから巨大な妖怪の怪獣が現れました。しかし、大人たちにはこの怪獣を見ることができません。その危機に気づいたのが妖怪たち。怪獣は将門塚へと進んでいきます。このままでは世界を滅ぼしてしまいます。妖怪退治の大御所「渡辺 綱(源 綱)」の血を引く少年が主人公です。この選ばれた子ども「ケイ」が妖怪たちとともに立ち向かいます。

映画版では、前作で主人公を演じた神木隆之介が再び登場することで話題になっています。

※渡辺綱
⇒酒呑童子を倒したことで有名。後に源氏に入り、源綱(みなもとのつな)となる

 

 

小説 妖怪大戦争 ガーディアンズ

あらすじだけ読むと「いかにも子供向け作品」という感じがします。しかし、それだけで終わらないのが荒俣宏のすごいところ。しっかりとまとまっていて、大人でもちゃんと楽しめる作品になっています。

今回は、日本の妖怪だけにとどまらず、海外の妖怪まで顔を出します。様々な分野に精通している荒俣先生だからこそできるのではないでしょうか。

今作でも妖怪知識がこれでもか!というくらい詰め込まれています。 今回も妖怪だけではなく、タヌキ、鬼、武人など様々なモノノケたちが登場します。今作では水木版はないけれど、この原作で楽しみましょう!

 

 

妖怪大戦争 ガーディアンズ(つばさ文庫)

小学生向けに書かれた「妖怪大戦争」中身は大体同じですが、書いた人が違います。もちろん、妖怪のウンチクは荒俣先生のものにかないません。大人が読むには物足りないかもしれません。しかし、様々なレビューを見てみると、小学生読者からの評価は高いようです。

※表紙が映画の画像になっていますが、本来は「つばさ文庫」らしいタイプの表紙です。↓
 

 

 

妖怪大戦争 ガーディアンズ(漫画版)

漫画版です。月刊少年エースで連載されています。ストーリーも大体一緒です。

表紙よりも中身の絵の方がずっと上手くて見やすいです。色使いもきれい!表紙、頑張ってよ・・・。

荒俣版、水木版とはまったくイメージが違いますが、これはこれでアリなのではないでしょうか?

 

 

妖怪大戦争 ガーディアンズ 外伝

本編の主人公は渡辺綱(わたなべの つな)の子孫でした。この作品はその渡辺綱が主役のスピンオフ?です。

舞台は平安、京の都。渡辺綱が安倍晴明の命を受けて妖怪たちと戦うはなしです。もうひとつの妖怪大戦争ともいえる作品です。歴史ファンタジーとしても楽しめます!

 

 

まとめとして

今回は荒俣宏の『妖怪大戦争』を紹介しました。

『帝国物語』ファンの人も、水木しげるファンも、妖怪に詳しくない人も楽しめる作品です。

小説版、映画版、漫画版、どれから手をつけてもOKです。

ぜひ見てみてください!