青春がよみがえる小説を読もう
今回、紹介するのは恩田陸の『夜のピクニック』です。
2005年に本屋大賞1位の作品なので、読んだ人は多いのではないでしょうか。
名前だけは知っているという人にもオススメの青春小説。
ただの青春では終わらない、読んだ後に爽快感を感じられる作品です。
恩田陸とは
1990年代に『六番目の小夜子』でデビューしました。
この作品も読み終えた後、頭に残る良い小説です。
代表作は
・麦の海に沈む果実
・蜜蜂と遠雷
・六番目の小夜子
など。
どれも名作ぞろいです。
どんな内容か?
高校生たちが学校のイベントで長距離を歩き続けるはなしです。
暗い夜道を一晩かけて歩きます。
友だちといろんな話題で盛り上がったり
一緒に走ったり。
自分自身の先が見えないことに不安になりながら。
主人公は数人の高校生たちです。
彼らの青春の1ページをのぞかせてもらっている感じです。
楽しかった学校生活の思い出や卒業後のことを語らいつつ、友人同士歩き続けます。
主人公の一人、甲田貴子だけはひとつの小さな賭けをしていました。
その賭けとはいったい何なのでしょうか?
終盤から話のテンポが急に変わります。
それに気づくと、目の前の靄が急に晴れたようになり、さらに読むのが楽しくなっててきます。
おすすめポイント
途中、話題にはあがるけれど登場しない登場人物がいます。
↑おかしな言い方ですが・・・
主人公たちの会話を通して、その登場しない人物が浮き彫りにされていきます。
まるで『コトーを待ちながら』のようです。
(劇作家サミュエル・ベケットによる日本でもおなじみの戯曲)
その他にも様々な戯曲のセリフが入っています。
演劇的要素も。
かと思えば、過去に音楽劇として上演されていました。
正直、表紙のイラストを見ただけでは「読みたい!」とはならないかもしれません。
しかし、読んでみると満足できます!
表紙に裏切られた作品です。
まとめとして
今回は恩田陸の『夜のピクニック』を紹介しました。
青春もので後味の良い小説を探している人にはオススメです。
ぜひ読んでみてください。