ディズニーランドが舞台のオススメ小説
今回紹介するのは松岡圭祐の小説『ミッキーマウスの憂鬱(ゆううつ)』です。
タイトルで分かる通りディズニーランドのおはなしです。
ディズニーランドを舞台にした小説はいくつかあります。
このシリーズの主人公はディズニーランドで働いているスタッフです。
彼らが
・何を考えていて
・どんなふうに働いているのか?
私たち「お客さん(ゲスト)」が気になる内容がいっぱい盛り込まれています。
そんな『ミッキーマウスの憂鬱』シリーズを紹介します。
『ミッキーマウスの憂鬱』とは?
松岡圭祐の小説です。エンターテイメント作品。新潮文庫から2冊でています。
・『ミッキーマウスの憂鬱』(2008年8月)
・『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』(2021年9月)
暴露本ではなくエンターテイメント小説
この小説が出るまでディズニーランドの裏側のことは「誰も触れてはいけない」感じがありました。
当時『ミッキーマウスの憂鬱』が発売されたときは驚きました。
こんな本を出して大丈夫なの?
しかし作者が松岡圭祐氏だとわかって納得。松岡氏の手にかかればただの暴露本で終わるはずがありません。
このシリーズではディズニーランドの舞台裏が描かれています。エンターテイメント小説なのですべてが現実だとは思いません。しかし、細かな描写がやけにリアルです。
本作を読むまでは
・舞台裏の豆知識を少しずつ出していく話でしょ
・夢の国の秘密を暴露するな
と思っていました。
しかし、読んでみると全然違いました。
ディズニーランドという謎につつまれた世界をうまく調理して小説として成立しています。
松岡圭祐特有の
・リズムの良さ
・作品後半の疾走感
・良くも悪くも”うんちく”がいっぱい
がちゃんとあります。安心してください。
小説の紹介
現在、2 冊が出版されています。第 1 巻が出てから16年。ついに続編が登場しました。
小説『ミッキーマウスの憂鬱』
第 1 作目です。主人公はキャラクターなどの管理や着る手伝い(!)を行うイシューという部署で働く青年です。
キャラクターの着替え?を担当しながら様々な壁にぶつかっていきます。仲間たちに支えられながら仕事の意義や誇りに目覚めていきます。
内容は面白いのですが、主人公の性格?考え方?が受け入れられない!と感じた読者が多かったようです。
しかし、それも小説の醍醐味だ、と思って読み進めみてください。後半の疾走感がさらに心地よく感じるはずです。
小説『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』
第 2 作目。今度は清掃担当(カストーディアルキャスト)の女の子が主人公です。
・夢の国で清掃担当はどのような位置にいるのか?
・ダンサーのように目立ってはいけないのか?
・自分の存在意義は?
というように悩みながら成長していきます。
仕事だけでなく
友達
家族
恋愛
そんな要素も含まれています。
読んだ感じが松岡圭祐の『特等添乗員αの難事件』シリーズに似ています。「極端な能力を持っているわけでもない女の子が悩んで成長する」というところがにているのかもしれない。
オススメの読み方は、『ミッキーマウスの憂鬱』を読んだらあまり間を開けずに『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』を読み始めてください。数年たってから続編を読むよりずっと楽しめます!
まとめとして
ディズニーランドの舞台裏が描かれた小説は少ないです。しかも「読める」作品はごくわずか。その代表でもある『ミッキーマウスの憂鬱』。
ディズニーランドが好きな人にも、そうでない人にも読んでもらいたい青春小説です。