東洋風ファンタジー小説オススメのシリーズは?
シリーズ小説の醍醐味は長い間その世界観に浸っていられるということです。
長ければ長いほど嬉しい。
雰囲気を味わうことができるはずです。
ここでは日本人作家による「東洋風ファンタジー」を紹介します。
その中でも、特にオススメの長編小説&シリーズものです。
東洋か西洋か判断がつかない作品もありますが、こちらにまとめました。
菅野雪虫
児童文学作家でファンタジー作家の菅野 雪虫(すがの ゆきむし)が手掛ける名作シリーズです。
世界観や登場人物がしっかりとしています。
それでいて読みやすい!
天山の巫女ソニン
菅野雪虫 (全5巻)
おすすめ:★★★★★
巫女の修行をしていたソニンが下山するところから物語は始まります。
その後、様々な人たちと出会うことでソニンが成長していく、希望のあるはなしです。
この作品には、もともと児童書なのもあってか、残虐なシーンがありません。
それでも、大人もドキドキできるはなしです。
子どもに読ませたいファンタジー、文句なしで第1位です。
天山の巫女ソニン 番外編
菅野雪虫 (全2巻)
おすすめ:★★★★★
① 天山の巫女ソニン 巨山外伝 予言の娘
『天山の巫女ソニン』の番外編です。
本編にも登場する、北国の王女イェラの物語です。とても魅力的な人物で、主人公に出会うまでが描かれています。彼女のスピンオフ作品。
② 天山の巫女ソニン 江南外伝 海竜の子
こちらも『天山の巫女ソニン』の番外編です。
第2王子クワンの物語です。
本編と違い、華やかさはなく落ち着いた感じです。
それでも夢中になって読めます。
本編で描かれたクワンとは異なる昔の彼の姿を見ることができます。
上橋 菜穂子
言わずと知れた女流ファンタジー作家の第一人者・上橋 菜穂子(うえはし なほこ)。
守り人シリーズで彼女を知った人も多いのではないでしょうか?
上橋作品にハズレなし。
ぜひ好きなシリーズを見つけてください。
守り人シリーズ
上橋菜穂子
おすすめ:★★★★★
いわずと知れた大河ファンタジー『守り人』シリーズです。
『天山の巫女ソニン』も『守り人』も、もとはと言えば児童書なんですよね。
しかし、両者とも、ここまで大人が楽しめる物語になっています。
本編が進む間に7年の月日がたっています。
『精霊の守り人』で30歳だったバルサが『天と地の守り人』では37歳に。
児童書で30代の主人公!
しかも、槍使いの女用心棒!
いったいどうやって話は進むのか?
他にも魅力があるキャラクターたちがたくさん登場します。
児童書版と小説版があります。
内容というか書き方が異なります。
大人は小説版がおすすめです。
本編の「守り人」はバルサが主役。
「旅人」はチャグムが主役です。
少年チャグムの成長には胸が熱くなります。
守り人シリーズ(短編集)
守り人シリーズにも短編集がいくつか出ています。
スピンオフだったり本編の補足だったり。
短編集で本編の世界を様々な角度から楽しめるのは嬉しい。
① 流れ行く者
② 炎路を行く者
守り人シリーズ(外伝)
外伝もあります。
一度は完結した守り人シリーズ。
突然、外伝という形で帰ってきました!
またバルサたちに会えます。
① 風と行く者
守り人シリーズ(その他)
様々な形態の本が出ている守り人シリーズ。
異色なのがこのファンブック。
こんな本が出るなんて。
バルサの食卓
作品に登場する料理を再現した作品です。
小説ではないけれど守り人シリーズというかバルサファンだったら楽しめます。
書下ろしエッセイ+夢のレシピ。
「守り人」のすべて 守り人シリーズ完全ガイド
守り人シリーズの登場人物や図鑑がのっているファンブックです。
バルサとタンダの穏やかな短編も掲載されています。(短編:『春の光』)
※改訂版が出ています!
鹿の王シリーズ
タイトルからは想像できないくらい壮大な世界が広がっています。
上橋作品ナンバーワンは「守り人シリーズ」!
そう思っている方も是非読んでみてください。
こちらも面白い!
鹿の王
上橋菜穂子 (全3巻)
おすすめ:★★★★★
奴隷となっていた男が主人公です。黒い犬に襲われ、謎の黒死病に感染されていくはなしです。感染と医療。東洋的かつ西洋的な雰囲気がする物語です。他の上橋作品よりも「生と死」が浮き彫りにされていて哲学的な雰囲気もする作品です。
本屋大賞&日本医療小説大賞のW受賞という珍しい本です。
鹿の王シリーズ(外伝)
このシリーズにも外伝が出ています。
本編を深めてくれる魅力的な外伝を紹介します。
鹿の王 水底の橋
本編のその後が描かれた作品です。
ファンタジーなのに人の命や医療の対立などを扱った作品。
そう聞くと「難いんじゃない?」と感じるかもしれません。
そんなことはありません。
大暴れする登場人物はいません。
それでも皆、キャラが立っています。
それぞれの信じることが対立したり譲歩したり。
名前は覚えにくいですが登場人物たちのカッコよさに惚れると思います。
おすすめです。
獣の奏者シリーズ
『獣の奏者 エリン』という名でアニメ化もされています。
『青い鳥獣の奏者』と表記されることがあります。
これは【講談社】の【青い鳥文庫】『獣の奏者』という意味だと思われます。
違いはありません。
このシリーズも守り人シリーズに負けず秀逸です。
獣の奏者
上橋菜穂子 (全5巻)
おすすめ:★★★★★
闘蛇と呼ばれる獣を操る一族と王獣を操るエリンのはなし。運命に翻弄されながら、様々な魅力的な人たちと出会うことで、物語が加速していきます。話が進むにつれて、母の思い、家族の思いが強くなっていきます。私は『獣の奏者』が上橋作品で一番好きな物語です。
獣の奏者シリーズ(外伝)
このシリーズにも外伝があります。
本編の補完的作品です。
獣の奏者 外伝 刹那
本編の後日談的位置づけです。
エリンがどうやって生きたのか?
「母」とは?
彼女たちの素顔を描いた作品です。
本編も好きですが、この外伝も素敵な作品です。
アルスラーン戦記
田中芳樹 (全16巻)
おすすめ:★★★★★
中東風の世界が舞台の長編ファンタジーです。皇太子であるアルスラーンが、仲間の力を借りながら成長していく物語。前半は国盗り合戦ですが、後半、驚くくらい状況が変わってきます。
敵、味方とたくさんの登場人物が出てくるのですが、どれも魅力的なキャラクターばかりです。キャラクターたちの掛け合いも〇。
複数の出版社から出ています。表紙を書いている人もすべて異なります。
天野喜孝(角川文庫版)
丹野忍(カッパ・ノベルス版)
山田章博(光文社文庫版)
すごすぎるメンバーです。
その他ファンタジー
その他にもオススメの東洋風ファンタジー小説はまだまだあります。
東洋というか無国籍な作品が好みの方はこちらもどうぞ。
NO.6(ナンバーシックス)
あさのあつこ (全9巻)
おすすめ:★★★★★
すべてがそろう理想都市に住む少年が、ひとりの少年と出会うことで運命が変わります。
この都市の現実と戦うはなしです。
このいわゆる「デイストピア小説」です。退廃的な雰囲気が好きな人にはおすすめです。
NO.6 beyond〔ナンバーシックス・ビヨンド〕
あさのあつこ
完結したはなしの外伝的位置づけ。
短編集です。
本編では語られなかった主人公たちのはなしがつづられています。
ぜひ本編を読み終わった後に読んでください。
まとめとして
今回は、東洋風&無国籍風ファンタジー小説を紹介しました。
魅力的なシリーズものがたくさん出ています。
嫌煙されがちな長い巻数の小説。
これを機に読んでみてはいかがでしょうか?
ぜひ参考にしてみてくださいね。
日本が舞台の和製ファンタジーはこちら